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Vet Surg Tokyo 動物外科診療室 東京

 
トイ・プードル 雄 7か月齢
あまり改善しない両後肢の跛行 (時折の右後肢挙上と、走ると起こる左後肢の挙上) についての診療をご希望され、ご来院されました。

 

病院外にて歩く様子を見ていると、飼い主様からのお話の通り、歩いているとき、走っているとき両方に起こる右後肢挙上、走ると起こる左後肢挙上が認められました。また、後ろから臀部を見ると左側が少し小さくなっていて、筋肉が落ちているようでした。

 

右後肢は膝蓋骨内方脱臼グレード||を、左後肢は股関節を伸ばしたときに若干の痛みがあるようでした。

 



膝関節、股関節以外に特筆所見は認められませんでした。膝関節は、右側に膝蓋骨内方脱臼グレード||を股関節は、左側に大体骨頭壊死症を疑う所見が認められました。

 

右後肢膝関節内方脱臼グレード||左後肢大腿骨頭壊死症

 

 

飼い主様とご相談させていただき、10日間のリハビリテーション入院を予定し、右後肢膝蓋骨内方脱臼整復術、左後肢大腿骨頭切除術を行うこととしました。

 



右後肢‐

滑車造溝術、脛骨陵転移術、その他(内側広筋部分切断、外側関節包縫縮)

 

左後肢‐

大腿骨頭切除術

 

手術後2日間はアイシングを行い、病院でのリハビリテーションは、手術後3日目より順調に行いました。右後肢は術後2日目より体重の負荷を行うようになりましたが、左後肢は接地はするものの体重負荷は4日目から見られました。手術後7日目には、右後肢の跛行は消失したものの、左後肢の跛行は退院まで続きました。そのため、ご自宅でのリハビリテーションを継続することをお約束いただき退院となりました。

手術後30日で左後肢の体重負荷は十分となりましたが、走ると起こる跛行は手術後2か月で完全消失しました。

トイ・プードルは、大体骨頭切除術後、跛行消失までの期間がその他の犬種と比較して非常に長くなることがわかっています。そのため、リハビリテーションが手術と同じくらい大事な治療となります。今回は飼い主様にリハビリテーションを積極的に行ってもらうことが、治療への近道となることを再び感じた1件でした。

 

 
 
 
 
 
 
 
   
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