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日本猫 去勢 ♂8歳齢 既往歴:特になし |
右前足(前肢)の痛みについての診療をご希望され、ご来院されました。
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診察室にて、右前肢は挙上していました。
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患肢はひどく腫れており、触診時に痛み、軋轢音(ギシギシ音)が認められました。
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右前肢に骨折所見がありました。
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右前肢遠位斜骨折 |
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プレート法(遠位3穴、近位4穴) |
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安静が難しい子であったため、術後2日目に退院。検診2回目、退院後14日目に脱走しました。ご来院された時には、再度右前肢挙上を示しており、X線検査にて再度の骨折が認められました。その他の一般身体検査から、交通事故による再骨折と診断されました。
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• 橈骨
ダブルプレート法(ミニプレート1.2mm厚:遠位4穴、近位7穴、カッタブルリコンストラクションプレート:遠位2穴、近位2穴)
• 尺骨
ピンニング法(0.8mm)
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手術後3日目に退院し、2週間の安静を指示させていただきました。検診1回目、術後10日目抜糸後より外遊を行っているものの、良好な骨癒合が得られました。 |
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骨折の治療には、いくつかの方法があり、当院HPにおいてもご紹介しております。今回、骨折部に対し、一般的な固定を施したにも関わらず、骨ネジ挿入部の新規骨折を含め、再度の骨折が起こりました。
2回目の骨折は、受傷時の四肢趾端の擦過傷、爪のひび割れの状態から、交通事故によるものであると考えられました。骨折の手術において、2度の開創はあまり好ましくなく、そのため、治療期間も長くなってしまいます。骨折治療において、骨癒合が得られるまで、無理な負荷がかかることは、固定の破綻を生んでしまうことが再認識させられました。
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