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Vet Surg Tokyo 動物外科診療室 東京
 

症例7:頸部椎間板ヘルニアの治療例

 
症例詳細
ミニチュアダックス、避妊♀ 4歳齢、 既往歴:特になし
両側の後ろ足がふらつくこと、前肢の動きが悪いことについての診療をご希望され、ご来院されました。

 

歩様所見

診察室では、両側の後ろ足がパタパタと動き、前肢はあまり力が入らないようすでした。

触診所見

頸部を触診した際に、強い痛みがあるようでした。また、四肢の各種神経反射は異常な変化を起こしていました。

X線検査所見

一般X線検査では明確な所見が認められないため、また、可能な限り確定診断を行うためにMR検査を検査センターにて行いました。
第3-4頚椎間に神経圧迫を疑う所見が認められました。

頚椎3-4椎間板ヘルニアグレード2

腹側減圧術(頚椎3−4間)

 



外科手術により脊髄に対して圧迫をかけている要因を取り除く(おもに椎間板物質など)手術。


切除部分の骨孔の拡大と椎間板物質の摘出

   
 
手術後翌日には神経症状/疼痛が消失し、病院内での安静が困難なほど元気になったため、退院となりました。

     

頸部椎間板ヘルニアは、その症状により治療が異なり、痛みのみ(グレード1)のことが多く、そのような場合は内科的治療(投薬治療)が選択されます。しかし、痛みのみであっても、投薬治療後に再発した場合、あるいは、痛みとともに神経症状を伴う場合には外科的治療が選択されます。 このような基準があるにもかかわらず、本例と同じような症状を示す病気には、椎間板ヘルニア以外の病気も多く疑われます。本例も、当初は異なる疾患を疑い、検査センターでのMR検査の実施をお勧めいたしました。
頸部椎間板ヘルニアは、手術適期を逸し、重度に陥ってしまった場合に呼吸器への影響から亡くなってしまう場合もあります。神経の病気が疑われた場合には、早期の画像診断を受けていただくことが重要であることが再認識された症例でした。

 
   
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